三浦半島 草花歳時記 第19回 「ハマダイコン」の根は小根 文・写真 金子昇
春の三浦半島は、まさにダイコンの花一色!沿海岸にはハマダイコン、内陸農地には栽培ダイコン(キャベツも付随して)が花盛りです。
「ハマダイコン」の根は、栽培ダイコンのように大きくなく親指ほどの小形で、味も辛味が強く硬いため、食用には不向きです。また果実の表面に数か所のくびれがあり、栽培ダイコンにはくびれがないので、区別することができます。日本書記には栽培ダイコンは「おおね」とあり、野生化したハマダイコンは「こほね」と呼ばれていました。
ハマダイコンのルーツは、栽培ダイコンが野生化したといわれ、肥料を施し手入れをすると、元の栽培ダイコンに戻るともいわれますが、定かではありません。
ダイコンは古くは地中海沿岸が起源で、食用として改良されて中国に伝わり、そして奈良時代に日本へ渡来しました。日本の海岸が地中海沿岸の環境と似ていたためだったか、その後次第に日本の沿海岸で野生化していきました。現在も地中海沿岸には淡黄色の花を咲かせる「セイヨウノダイコン」が野生化しているようです。
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