三浦半島 草花歳時記 第20回 花色が変わる「ハコネウツギ」 文・写真 金子昇
公園、庭園、山林等で白や赤の花を咲かせている「ハコネウツギ」は、栽培品の野生化したものが多く、自然分布は関東から東海地方の沿海岸になります。この地域は「フォッサマグナ地域」といい、1500万年前から500万年前の間に、火山島の移動と大規模な火山活動によって破壊と分断が繰り返されたため、固有の植物が多く見られるようになりました。その主な固有の植物はハコネウツギ、ハコネコメツツジ、サンショウバラ等、海岸植物ではアシタバ、ワダン等が挙げられます。
ハコネウツギの花は、成長するにつれアントシアン(赤い色素)が作られてくるため、白色から赤色へと変化していきます。そのため別名「源平ウツギ」または「カメレオンの花」といわれています。また「ウツギ」は「空木」のことで、枝が中空になっているためです。
同じ仲間で非常によく似た「タニウツギ」の花は、ピンク状の色をしていますが、途中で変色しないので区別できます。
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