三浦半島 草花歳時記 第24回 海岸型の「マルバアキグミ」 文・写真 金子昇
「マルバアキグミ」はアキグミの海岸型の変種です。海岸型とは本種から海岸の地形や気候等に影響され、長い年月を経て適応し、変化していったものです。三浦半島の海岸近くで見ることができ、葉はアキグミより大きく丸みを帯びていますが、花後の葉は先端が尖ります。裏面は真白い鱗片状の毛が密生し、光に当たるとキラキラします。春、淡黄白色の花が咲き、秋には赤い球状の果実を鈴なりにつけます。
グミ(茱萸)の名の由来はいくつかありますが、果実はタンニンが多いため食べるとえぐいので「えぐい実」、また「杭実」(ぐいみ...杭は棘のことで、棘のある実)等から来ています。なお、タンニンが多いため多食すると便秘になるのでご注意を。
実を食べると中から種のようなものが出てきますが、これが本来の果実で、さらに中を割ると種子が出てきます。では外側の食用とする部分は何かというと「花托」(かたく)といい、花をつけている茎の先端部が膨らみ、種状の果実を包み込んでいるのです。
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