三浦半島 草花歳時記 第26回 いち早く紅葉する「ヤマハゼ」 文・写真 金子昇
三浦半島の紅葉を楽しむのは「カエデ」ではなく、真紅に色づいた「ヤマハゼ」でしょう。しかし今年は強風等の気候変動のためか、早くから落葉し色づきも今いちのようです。
別名「ハジノキ」「ロウノキ」「ハゼウルシ」などといい、関東以西に広く分布しています。日本では古くより鮮黄色の心材を、衣の染色に使われてきました。また樹皮は天皇の御衣を染めたことから、高貴な「はじ染め」に利用されてきたため、後に「ハゼノキ」に転じられました。
よく似た「リュウキュウハゼ」(別名「ハゼノキ」)は果皮からロウを採るため、戦国時代末に中国より琉球・鹿児島へ輸入され栽培してきました。現在では関東以西に広く野生化し、ヤマハゼと混生しています。両者の違いは、
ヤマハゼ...葉の離面や若枝に褐色毛が密生し、果実の色は黄褐色。
リュウキュウハゼ...葉は無毛、若枝は始め微毛→無毛、果実の色は白色。中国では種子から採った油を印刷用のインクやペイントに使っています。
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