三浦半島 草花歳時記 第32回 紅葉が美しい「タイトゴメ」 文・写真 金子昇
三浦半島の海岸には岩礁地帯が多く見られ、そこでは海浜地帯とは違った植物が生育しています。岩礁地帯は崖地や岩斜面、岩棚等の土壌が十分発達していない場所です。こうした厳しい環境で生き伸びていく植物の一つに「タイトゴメ」があります。
タイトゴメはベンケイソウ科の匍匐性多年草(ほふくせいたねんそう)で、葉は球状の多肉質のため、海水に1カ月間浸っても大丈夫だし、水分がなくても数カ月は生きていくことができるという、強い生命力を備えています。春から初夏にかけて米粒大の小さな黄色い花(まれに白い花もある)を咲かせます。
冬になると、群生している枝や葉が赤く色づき、秋の紅葉のように美しい形状を見せてくれます。紅葉した枝葉は春になると、また徐々に元の緑色へと戻っていきます。
名の由来は、紅葉した葉の色と形が赤い米の一種である「大唐米」(だいとうまい)に似ていることからつけられました。
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