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三浦 コラム

公開日:2023.03.03

三浦半島 草花歳時記
第40回 強い毒性を持つ「トウダイグサ」 
文・写真 金子昇

 日当たりの良い田畑の土手、荒れ地、道端等に高さ20〜30cmの「トウダイグサ」(燈台草)が咲き始めました。葉はヘラ型の互生で、頂部は放射状に5本の花枝を出し、お碗状の苞葉に囲まれた中央に、数個の黄緑色の花をつけます。初夏には緑色の丸い小さな果実をつけ、熟すと3つに裂けて、種子が自動的に飛び出します。

 名の由来は、花茎の部分が昔の照明に使われた燈明台の灯火皿に見立てたためで、岬の灯台に似ているからではありません。別名「スズフリバナ」(鈴振り花)。

 全草有毒で、茎や葉から出る白い乳液に触れるとかぶれ、果実や種子を食すると激しい痙攣をおこします。

 同じ仲間に、夏に開花する「ナツトウダイ」やクリスマスの花で有名な園芸種「ポインセチア」があり、いずれも有毒植物です。ヨーロッパにもトウダイグサがありますが、遺伝子が少し違うため、人類の移動と共に分布を広げていったと考えられます。

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