広域ごみ処理計画から脱退したことを理由に横須賀市と三浦市が葉山町に1億4800万円の損害賠償を求めていた裁判で横浜地方裁判所は8日、葉山町に395万円の賠償を命じる判決を下した。判決を受け森英二町長は同日、役場で記者会見し「原告の訴えが一部認められたのは意外だった」と不満をにじませた。また控訴するかについては「弁護士と相談した上で慎重に決める」と語った。
森町長「予想外の判決」
判決によると2市1町は06年、ごみ処理施設を共同で整備し、広域処理をしていくことで合意。同年協議会を設立し、07年には一部事務組合を立ち上げる覚書を締結したが、08年の葉山町長選で「ごみの独自処理」を掲げる森英二町長が当選。公約に基づいて協議会から同年脱退した。
裁判をめぐっては、葉山町の脱退が民法で定められているところの契約の債務不履行に相当する「信義則違反」にあたるかが争点だった。横須賀市と三浦市は「2市1町で進めた協議が全て無駄になった。選挙公約を理由に脱退するのは信義則に反する」と主張。これに対し葉山町側は「計画が具体的になっていない中での脱退であり、信義則違反にはあたらない」と対立していた。
しかし判決では「06年2月の時点で、ごみ処理の広域化に向けて誠実に取り組むべき信義則上の義務を負った」と2市の主張を支持。また費用については同町が脱退した協議会の経費の一部として横須賀市に330万円、三浦市に65万円、計395万円の支払いを命じた。会見で森町長は「信義則違反とされたのは率直に言って予想外だった」と話した。また控訴期間は判決から2週間以内で、控訴するか否か近く判断する見通し。一方でこの日、横須賀市と三浦市は連名で「(請求の)一部しか認められなかったことは残念。今後の
対応は判決文を読んで弁護士と両市で協議の上、検討したい」という内容のコメントを発表した。
焼却炉は「廃炉」
森町長は同日の会見で現在、稼動が停止している焼却炉については「廃炉とする方向で新設する予定もない。処理は外部委託になるため、今後一層のゼロ・ウエイストを加速させる必要がある」と強調した。現在町の焼却ごみは民間業者3ヵ所に委託し処理している。
【12月13日起稿】
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