ロンドン五輪でも日本中を沸かせたマット上の格闘技「レスリング」。実は20年ほど前からキッズレスリングを盛りたて、逗子からレスリング人気を高めていこうという動きがある。
14日、逗子アリーナで県内でレスリングに取り組む“キッズ選手”が一堂に会する「県少年少女レスリング大会」が行われた。1998年に神奈川国体のレスリング競技の会場に選ばれて以来、毎年同アリーナで大会が行われている。その中に同市内で活動する「逗子キッズレスリングクラブ」の選手らがいた。
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同クラブでは、幼年から小学生までの選手がレスリングに打ち込む。指導するのは市職員で学生時代レスリング選手だった松岡幹夫さん(53)。20年前、当時5年後に控えていた神奈川国体を「市民にレスリングをPRする機運に」とクラブを立ち上げた。現在クラブに所属するのは約30人。県内17クラブ227人という競技人口を考えればおよそ1割にあたる。
選手らは週に1度、同アリーナで練習を重ねる。「スポーツとしてはまだマイナーだが、この20年で少しずつだが競技が根付いてきた」と松岡さん。クラブ発足から20年。所属選手も次第に増え、卒業生の中には世界大会で優勝を収める選手も出るなど普及が実を結び始めている。
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昨今盛んなチーム競技に対して、「レスリングの魅力はそれとは逆のところにある」と話す松岡さん。「マットに上がれば自分ひとりで何とかしなければいけない。チーム競技では得られない精神力もつく」。実際、休憩中は無邪気にはしゃいでいた選手たちもひと度試合が始まれば「戦士の顔」に一変。「つぶせ」「後ろを取らせるな」など声援が響くなか白熱した試合を繰り広げ、会場は選手の熱気に包まれた。
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競技は1、2分の制限時間で相手の背中を地面につけ「フォール」するか、相手の後ろに回りこんで手を回すなどしてポイントを競う。力量や技量に差がない場合、フォール勝ちは稀だが、「フォールが決まったり、タックルがきれいに入ると面白い」と横田彩夏さん(11)は笑顔を見せる。5歳からレスリングを始めた双子の山内奏美さん・花音さん姉妹(9)は「練習はつらいけど、勝つと楽しい。友達もできる」と話した。将来の夢を尋ねると3人とも一様に「オリンピックにでること」と声を揃えた。「この逗子からレスリングがもっと広がっていけば」。教え子の試合に視線を送りながら松岡さんは話した。
同クラブへの問合せは【電話】046・873・6558まで。
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