矢部ふさおの「花たれ雑記【7】」 巨大地震、飲料水の備えは
神奈川県地域防災計画に示されている地震のうち、逗子・葉山に甚大な被害をもたらす可能性があるとされる地震がいくつかあります。【1】東海地震(M8)【2】南関東地震(M7・9)【3】神縄・国府津―松田断層帯地震(M7・5)【4】三浦半島断層群地震(M7)【5】東京湾北部地震(M7・3)などです。特に【1】【3】【4】は今後30年以内に発生する恐れがあると指摘されており、私たちは常に備えを怠ってはならない状況にあります。
さて、減災対策には住民自身によるものと地方公共団体によるものがあります。住まいの耐震化など住民個々による対策が求められる一方、地方公共団体は被災時に電気、ガス、上下水道が安定供給できるよう、公共インフラの耐震化整備が必要です。中でも被災後、復旧まで相応の月日がかかると想定される上下水道。今回は特に緊急時の飲料水調達について触れます。
県企業庁水道局が管轄している逗子・葉山の水道の供給元は寒川浄水場と社家浄水場(海老名市)の2系統。池子米軍家族住宅建設時、県が国の予算で水道本管の耐震化による敷設替えと2系統の相互利用を可能にする結節工事を行いました。これにより1系統の供給が可能であれば、水道本管枝管の破損がない限り、葉山側にも緊急給水が可能です。ただ、県は配水池の耐震補強を行っていますが、延長の長い管路までは整備ができておらず、東日本大震災のような地震を想定すると各戸まで水が供給できるとは限りません。
一般に、避難生活には当座3日分の水食糧を用意しなくてはならないといわれています。逗子市、葉山町にあっても避難場所には広域公園や学校施設が指定されていますが、プールや井戸などの水はろ過や殺菌をしなくては飲料水として使えず、多くの住民が避難した際には水量確保が困難になるでしょう。県企業庁ではこのような事態を想定し、各避難場所に緊急時非常用貯水タンク(飲料水約1万人分)の設置を呼び掛け、葉山町では役場近くの保育園にタンクが設置されました。今後、逗子市の広域避難場所にも設置がされるよう市に求めてまいります。
矢部房男
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