昨年8月に誕生した、逗子の1棟貸しホテルが観光客を中心に人気を集めている。実はこの建物、以前までは空き家だったが、鎌倉で不動産業を展開する「ユニークホームズ」(阿部真美代表)が設備整備や改修を施し、新たな命を吹き込んだ。空き家問題が全国的な問題となる中「課題解決や地域活性化の新たなモデルになれば」と期待を寄せている。
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逗子海岸から徒歩で約30秒。住宅街の一角に2階建ての洒落た佇まいが見えてくる。室内は真っ白な壁に木目の板張り。随所にさりげなく配置されたアンティークの調度品がゆったりとした雰囲気を醸し出している。ここが同社の運営する「貸別荘 VACATION+ZUSHI GUESTHOUSE」だ。
建物は築25年の3LDK。元々個人が所有する賃貸住宅だったが、1年ほど借り手がつかない状況が続いていたという。
逗子市では空き家率が県平均を上回り、県下で2番目に高い。その一方で、市外からの来訪者を受け入れる宿泊施設はほとんどない現状がある。2020年東京五輪時にはさらなる需要も予測され、相談を受けた阿部さんが「ホテルならば2つの課題が同時に解決できる」と発案。建物を借り受け、旅館業免許を取得した上でオープンさせた。
利用は1日1組限定。家族連れやカップルなどの利用が多く、週末はほぼ予約で埋まる。キッチンには調理設備や食器なども完備されており、商店や漁港で地場の食材を購入し料理を楽しむこともできる。非日常感の一方で、逗子ならではのアットホームな暮らしを体験できることが、人気を後押ししているようだ。
「空き家相談士」の民間資格を持つ阿部さん。空き家活用のアドバイスも手掛けており、ゆくゆくは同様の仕組みが広がっていけばと期待する。「新しく施設を作るのはハードルが高いが、既存の建物なら基本ノウハウさえあれば運営できる。まちづくりの一つの形として、増えていってくれたら」と話した。
宿泊料金は2人の場合、1泊1万5千〜2万5千円(曜日、季節などで異なる)。問合せ、予約は同社【メール】info@unique-homes.co.jp
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