アナウンサーからアロマセラピストに転身し、三浦半島に軸足を移してじき6年。今、仲間とともに在宅介護者の心のケアや多世代間交流を通じて地域を繋げるプロジェクトに取り組んでいる。「介護のある日常を少しでも心豊かに」。目指すはそのサポートだ。
堀内のデイサービス施設内にある小さな畑。ここが「葉山つながりプロジェクト(はっぷ)」の活動拠点だ。お年寄りや育児中のお母さん、子どもたちが一緒になって畑作業をしたり、収穫したハーブを加工したり。参加者の会話も自然と弾む。
数年前、町社協の家庭介護講座でアロマセラピストとして講師を務めたとき、「日常には色々な香りがあふれている。特殊なものを使わずに介護を豊かな時間にすることはできないか」と考えたのがきっかけ。
ただでさえ、介護者は心のゆとりをなくしがち。核家族化が進み、ともすれば地域社会から取り残されてしまうかもしれない。アロマだけでなく、人の交流を生み出したいとの思いから「みんなで畑をやってみたい」。その呼びかけに賛同の輪が広がった。
「一緒に畑仕事をしていると、介護をしている人の気がふと緩む瞬間がある。”心のマッサージ”というか。交流のもたらす効果って本当に大きい」
今年からは逗子で地域のお年寄りと未就園児が手仕事をしながら交流する事業や、園芸を通じてリハビリを図る在宅サービスなど新たな取り組みもスタートする。プロジェクト名にもある「つながり」を自らも実感している日々だ。
会のモットーは「ハッピーエイジング」。高齢化社会と聞けば負の側面ばかりが取り上げられがちだが、幸せに年を重ねる生き方だってある。「そういう人たちがこの地域にはたくさんいる。介護もそうなったらいいなって」。介護も、年を取るのも、向き合うときに大切なのは心の在り方。それを少しでも幸せにとらえてもらうためのお手伝いを、今後もしていくつもりだ。
長柄在住。9才の娘と6才の息子、2児の母。
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