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イノシシの脅威【3】 対策の担い手確保 必須 「ジビエ」利用には高い壁

社会

掲載号:2018年5月25日号

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町役場で開かれた委嘱式の様子
町役場で開かれた委嘱式の様子

 葉山町には二子山を中心にイノシシが生息し、農業への被害が発生している。人的被害も危惧されるなか、町民有志からなる「葉山わな猟の会」(石井喜三郎会長)が対策に乗り出している。最終回では、会の継続的な活動に向けた課題や今後の展望を紹介する。

 4月2日、葉山町役場で「鳥獣被害対策実施隊委嘱式」が開かれた。委嘱予定隊員30人のうち19人が参加し、山梨崇仁町長から委嘱状が手渡された。山梨町長は「安全第一で業務にあたってほしい。現場の意見もいただきながら、より良い連携をしていきたい」とあいさつした。

 隊員たちは町民からの情報を受け、現場で罠をかけたり、イノシシの住処をなくすための藪刈りなどを行う役割を担う。

高齢化進む

 葉山町では猟銃が使えず、わなを使った捕獲を行っている。同会メンバーの平均年齢は59・5歳で、半数以上が農業従事者。各自の畑は毎日見回りを行うが、山の頂上や辺鄙な場所は毎週月曜と木曜、町内を5つのエリアに分けて合同で実施している。

 また急斜面やぬかるみなど危険な場所も多く、イノシシがかかったわなが外れ、飛びかかってくる可能性もある。「何度か危ない思いもしてきた。今後、活動を続けていくためにも、若手の会員を増やすことが急務」と石井会長は語る。

「拡大阻止に全力」

 全国的に「ジビエ」の人気が高まるなか、農林水産省は「国産ジビエ認証制度」を5月18日、制定した。品質を保証することで消費拡大を後押しする。千葉県君津市では、市が食肉加工会社に委託し「狩猟ビジネス学校」を開校し、商品化や飲食店経営などを学べる環境を整えた。野生鳥獣による農作物被害の抑制と地域の特産品創出という「一石二鳥」の取り組みが全国各地で進む。

 しかし、ここ葉山町では商品化へのハードルが高い。他自治体ではハンターに奨励金を出しているが、集団で行っているわな猟では難しいうえ、食肉加工施設を作るには多額の建設費がかかる。安定的な頭数確保も必要だ。メンバーの1人は「年間数百頭も獲っている地域ではないので、現時点で事業化はできないだろう」とみる。

 今年に入ってから5月17日までに捕獲したのは15頭にのぼり、昨年のペースを大幅に上回っている。「個体数ゼロの実現は厳しいが、これ以上増やさず生息域を横須賀や三浦に広げないよう全力を尽くしたい」と石井会長。自然の恵みだけでなく厳しさとも向き合い、イノシシと付き合いながら暮らしていくことが求められている。   (完)

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