逗子市は桜山の蘆花記念公園にある郷土資料館を廃止する方針を示した。緊急財政対策で2年前から休館し、在り方の検討を進めてきたが、来館者の減少などから役割を果たしたと判断した。
郷土資料館は1984年、市政施行30周年を記念して蘆花記念公園内に開館した。逗子ゆかりの文学作品に関する展示や、近代から現代にかけて市内で実際に使われていた調度品などの民俗資料、長柄桜山古墳群や持田遺跡などから出土した資料など400点を展示していた。
建物は1912年(大正元年)に横浜の実業家によって建てられたとされており、17年からは徳川宗家第16代当主家達の別邸としても使われていた。木造平屋建、奇棟造の桟瓦葺きで、8畳間を一直線に連ねる間取りになっている。どの部屋からも海を臨むことができ、敷地内には四季折々の草花が咲いている。
老朽化看過できず
市の緊急財政対策によって、2018年4月から休館。施設の在り方を検討してきたが、「元来住居として建てられており、文化財資料等の収蔵展示に必ずしも適切な構造でない」「老朽化による雨漏りも確認されており。資料の適切な維持管理にも支障をきたしている」ことなどから、郷土資料館としての役割は果たしたとして、昨年11月、廃止の方針を示した。開館当初は年間3千人以上の来館者があったが、近年では2千人を割り込み、市民の利用が減少していたという。
パブリックコメント期間中、臨時開場が行われ、4日間で74人が来場した。
収蔵資料については、池子遺跡群資料館やコミュニティセンターでの展示が可能か検討していくという。
市は今後、ホームページ上で寄せられた意見を公開。それらをふまえた上で、2月の市議会第1回定例会に同館の設置について規定している逗子市都市公園条例の一部を改正する条例案を提出する予定。その後、建物の利活用方法について検討を進める。
問い合わせは市社会教育課【電話】046・872・8153へ。
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