逗子市逗子の延命寺(神田宜優住職)が所有する「絹本著色(けんぽんちゃくしょく) 仏涅槃図(ぶつねはんず)」が1月24日、市の重要文化財に指定された。室町期、15世紀前半に描かれたものとみられる作品で、絵画での指定は初。これで市重要文化財は22件となった。
仏涅槃図とは釈迦の入滅を描いた仏画。同図の大きさは、縦143・0センチメートル、横124・8センチメートル。中央に沙羅双樹(さらそうじゅ)の下に横たわる釈迦の姿が描かれ、その周囲には弟子や民衆、動物が集まっている。画風の特徴から15世紀前半に制作されたものと推察され、神奈川県内において中世(鎌倉〜室町時代)までさかのぼる仏涅槃図は数点しか知られておらず、また大きな補修がほとんどなく元の姿を保っているなど、文化的価値は極めて高いと考えられる。
神田住職によれば同寺第71代の阪口本瑞住職の時代、1933年に広島県の地蔵院から贈呈されたものだが、遠く離れた広島の寺院となぜつながりがあったのかは不明だという。
同図は釈迦が死去した日(2月15日)に行われる法要・涅槃会の時にだけ、本堂内に掲げられ見ることができる。神田住職は「文化財を見ることをきっかけに寺を身近に感じてもらえれば」と期待を寄せた。
市重要文化財22件に
市は市内の文化財の内、学術的に価値の高いものを重要文化財にしており、これまでに仏像や建物など21点を指定してきた。内訳は建造物3件、彫刻8件、工芸2件、考古資料1件、史跡5件、天然記念物2件。
延命寺は銅造阿弥陀三尊像(彫刻)が73年に指定されており、今回の涅槃図で2件目。
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