神奈川県洋菓子協会作品展のマジパン仕上げで県知事賞を受賞した 山崎 康平さん 茅ヶ崎市在住 26歳
「ありがとう」が活力に
○…構想から2カ月、粘土細工のようなマジパンで、繊細な工芸菓子を完成させた。「ただ人形を置くのでなく、物語を作りたい。見る人それぞれが想像できるような」―。自身の思惑通り、ハロウィーンをモチーフにした人形たちは今にも動き出しそうで、躍動感あふれる。完璧な仕上がりにも、「イメージしている色を出すのに苦労した」と、普段扱うことの少ないマジパンに悪戦苦闘したと吐露。過去2回作品展に出展し、金賞を受賞した経験もあるが、マジパンは初めての挑戦。「1番を取れた、認めてもらえたことが嬉しい」と満面の笑みを見せる。
○…福井県出身。「小学生のころから美術や図工が得意で、手先が器用だった」と振り返る。パティシエを志したのは、高校時代に幼馴染の和菓子屋でアルバイトしたのがきっかけ。「幼馴染が和菓子だから、自分は洋菓子に進もう」と高校卒業後、京都の専門学校へ進学。専門学校に外部から来ていた講師に誘われ、都内の洋菓子店で働くことに。「大きい店だったけど、町場のケーキ屋で働きたかった」と知り合いのシェフに紹介され、市内大庭のとろわふれーるで働くことになった。
○…藤沢へ来て3年。「お客さんと会話ができるのが嬉しい。温かみのある人が多い」と既に藤沢のまちに溶け込んでいる様子。休みの日や仕事後などには、趣味のバイクで江の島まで飛ばしたり。「海沿いを走るとスカッとする」。江の島に、故郷・福井の海を重ねているのだろう。
○…平均4時間睡眠で、朝4時半には出勤するという。それでもケーキ作りが好きでたまらない。その魅力は「お客さんに笑顔で『ありがとう』と言われるところ」とついにやけ顔。「地域に定着した店を作るのが夢」ときっぱり。若きパティシエの頭の中には、既に自店の構想が練られているのかもしれない。
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