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藤沢 スポーツ

公開日:2025.08.22

本町在住 岩崎広さん
不屈の精神、リングで体現
おやじファイトで王者獲得

  • キリリと鋭い眼光で「バチン」と強烈な音を立てながらサンドバッグを叩く岩崎広さん(上)、誇らしげな表情でチャンピオンベルトを掲げる娘のさちさん(下)

 "おやじ"たちを魅了するボクサーがいる。本町に住む岩崎広さん(33)は10日、後楽園ホール(東京・文京区)で行われた中高年らのボクシング大会「ザ・おやじファイト」に出場。R30・ライト級の王者を獲得した。岩崎さんは「たとえ年を重ねても一生懸命に向き合えばナンバーワンになれることを証明できた」と笑みをこぼす。

 おやじファイトはOFB実行委員会が運営する30歳以上の競技経験者らが出場できる大会。2006年から始まり、2分3ラウンド戦って年代や階級別に王者を決める。

 岩崎さんは座間市出身。東海大学進学後にキックボクシング部の門を叩き、2年生の時には全日本学生王者に輝いた。その後プロに転向。メキメキと頭角を現し、新人王も手にするなど15戦11勝3敗という好成績を収めた。

 大学を卒業すると消防士の道へ。ただ社会人になっても競技は続けた。リングネームは「ファイアー岩崎」。白旗神社や遊行寺周辺がロードワークのコースで、湘南藤沢ボクシングフィットネスジム(藤沢)で日々鍛錬を積む。マネージャーの住友将吾さん(37)は「手数が多く、攻撃的なファイター。打たれても前に出る気持ちの強さがある」と太鼓判を押す。

 「勝っても負けても自己責任。1戦1戦、命懸け」と独自のボクシング論を展開する岩崎さん。常に自身に甘さがあると認識し、大会へ向けた準備を怠らない。そんなストイックな岩崎さんを応援する人も多い。先の大会では同僚や同級生の他、共に活動するおやじの会「藤小応援団」メンバーも会場に駆けつけた。大きな声援を背中に受けた岩崎さんは「皆、温かかった。力になった」と感謝する。藤沢小学校6年の娘、さちさんも「ルールはあまり分からなかったけれど、かっこ良かった」とチャンピオンベルトを見つめる。

 次なる挑戦の舞台に岩崎さんが選んだのは、12月の全日本社会人ボクシング選手権大会。「またきっと倒しますよ」。勇敢な心と一撃強打を兼ね備えた屈強なボクサーがさらなる進化を遂げるため、ゴングを待つ。

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