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藤沢 スポーツ

公開日:2025.12.19

湘南ベルマーレ
経営基盤の強化を誓う
大多和新社長が就任会見

 湘南ベルマーレの代表取締役社長に就任した大多和亮介氏が12月9日、記者会見を行った。大多和氏は、J2降格の責任を痛感しつつ、降格の背景にあるクラブ経営の課題を説明した。

J2降格を謝罪

 2023年に入社し、今年は代表取締役副社長を務めていた大多和氏は会見の冒頭、「今シーズンのJ2降格という結果について、本当に皆さんにお詫びを申し上げたい」と切り出すと、降格の要因について、「ピッチ内の問題だけでなく、経営という観点で課題があった」と分析。

 クラブの売上は、過去最高水準(2018年度)まで回復し、直近3年間で117%成長を遂げたものの、「J1平均は132%まで成長している」と指摘した。「Jリーグ全体の競争環境の激化にクラブの成長が追いつけていない」と危機感を露わにした。

 また、J1で戦い続けるための財政的な苦境に触れ、チーム人件費を中心とする強化関連費はJ1では最下位レベルであること、チケットや広告収入などだけでは賄えないほどの強化費を使いながら「ギリギリで戦わざるを得ず、中長期的な投資や戦略にリソースを回す余裕がなかった」ことを振り返った。

新しい成長サイクル

 大多和氏は、「J2で戦い抜き、必ずJ1に上がるため、まずは経営基盤の強化に取り組む」と宣言。J2降格となったため、目標達成への道筋を修正しつつも、これまで掲げてきた目標「30年に売上35億円」は維持するとした。

 クラブの強みである若手選手の育成と海外移籍については、「これまでは適切な移籍金を得ることができない負のサイクルになっていた」ことを問題視。海外クラブと直接交渉する機能の強化を進めることで選手の市場価値を正当に評価してもらい、適正な移籍金で送り出すサイクルを作っていくとした。

 また「そもそも、フットボールの戦いの前に、やはり経営の戦いだと思っている」とも述べ、成長に向けた経営のハードワークを誓った。

坂本前社長は取締役に留任

 競技としてのフットボール面については、前社長の坂本紘司氏が取締役に留任し、トップチーム、アカデミー、女子カテゴリー、国際事業を統括する。J1昇格を4度経験し、「ミスターベルマーレ」としてサポーターの信頼も厚い坂本氏に、その経験とクラブへの思いを生かして強化を牽引してもらうことが目的であるとした。

ライザップへの貸付問題を説明

 大多和氏は一部報道で話題になった、ライザップグループへの貸付についても説明した。

 同グループは、18年からベルマーレの責任企業(親会社)となり、現時点で全パートナー企業の中で最も多額の資金提供を行っている。

 ベルマーレが貸付を行ったのは、今年の3月から9月にかけて計4回で、総額6億円だった。当時、副社長として財務担当だった大多和氏は「2024年度は予算を上回るチーム人件費を使った。25年1月時点でクラブが債務超過に陥ってしまう可能性が高かった」ことを背景に挙げ、「利息収入を得るための判断であった」とした。

 一方で、「地域の方々からいただいたお金」であり、「別の判断もあったのではないか」と率直な思いも吐露した。

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