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鎌倉 人物風土記

公開日:2012.09.07

故郷手広の歴史を一冊にまとめた
石井 和行さん
手広在住 71歳

手広「史」のマエストロ



 ○…生まれも育ちも鎌倉市手広。この度、1年がかりで365頁にもおよぶ郷土歴史書「手広考つれづれ」を完成させた。



 ○…これまでも地元医療生協の機関誌にコラム「わが町手広」を連載したり、片岡幼稚園の30周年誌には「手広のあらまし」を執筆するなど、知る人ぞ知る郷土史家。手広中学校では、総合学習の一環として教壇に立つなど活動の幅は広い。昨年10月、地元の古刹、青蓮寺の主催で四国八十八カ所霊場巡りに赴いたとき、一緒に参加した知人からこれまでの資料を一冊にまとめたらどうかと提案されたという。話はトントン拍子で進み今年3月までに原稿を仕上げた。「ワープロを使ってたから、ちゃんとデータ変換できなくて」と苦笑い。校正作業などを経て原稿が手離れしたのは7月という。カメラを手に20代の頃から故郷の風景をフィルムに収め、それが作中に散りばめられている。



 ○…資料を整理する過程で、地域の農家に保管されていた天正19年(1591)の検地帳に初めて「手広」という地名を発見した。「文献に残る一番古いものです。これには感心しました」と興奮気味。また、村の社会生活をまとめた項目には、貴重な近世の実生活がつづられている。すべて録音し、文字起こしした古老の話は「これだけで一冊になる」。



 ○…大学卒業後、農林省(当時)に入省。返還時の沖縄をはじめ、JICA(国際協力機構)に出向しタイなどの東南アジアや、アフリカはタンザニアにも農業支援で訪れている。51歳で退官し家を継いだ。3人の息子娘は近くに居を構え、孫は6人。携帯電話の着信音は暴れん坊将軍のテーマ曲とお茶目な面も。



 ○…「伝聞は、時代とともに少しずつ変わっていく。だからある段階でしっかり資料をまとめるべき」と語る。時代が変わり街の姿も変わり続ける。「子どもたちには、郷里を大事にする気持ちを持って欲しい」とトツトツと語った。

 

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