鎌倉のとっておき〈第11回〉 ご存知ですか?鎌倉由来の小動物
昨年の鎌倉検定にこんな問題が出題されました。「○○○○○○○○はウシガエルの餌として○○の鎌倉食用蛙養殖場に持ち込まれた」。それぞれの○に入る言葉はなんでしょうか?
正解は「アメリカザリガニ」と「岩瀬」です。日本には現在、在来種とウチダザリガニと呼ばれる米国北部からの移入種、そして皆さんに最も馴染み深いであろうアメリカザリガニという3種類のザリガニが生息しています。そんなアメリカザリガニが、鎌倉から全国へと広がったことをご存知でしたか?
戦前、岩瀬には食用蛙の養殖場がありました(場所は現在の岩瀬下関防災公園付近)。アメリカザリガニは1927(昭和2)年、ここに蛙の餌として持ち込まれました。その後、洪水などの際に逃げ出し、爆発的に繁殖域を拡大させました。一説には約30年で北海道から沖縄まで生息が確認されたそうです。食べられるはずだったザリガニが養殖場を逃げ出し、何十年もかけて日本の果てまでたどり着く―。壮大なロマンを想い浮かべますが、遠距離への拡散は人の手によるところも大きいそうです。
すでに30代後半になる我が家の息子が小学生の頃、近くの谷戸にある田んぼでザリガニを素手で獲っていて驚いた記憶があります。どうすれば、ハサミにはさまれずに掴めるのか、「発祥の地」ならではのノウハウが子どもたちに伝わっているのかもしれません。
古川達海
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