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横須賀・三浦 スポーツ

公開日:2025.12.19

ウインドサーフィン井上選手
「ロス五輪」虎視眈々と
全日本アマ優勝、プロ登録へ

  • 津久井浜海岸を疾走。セイルにはアスリート社員として在籍する「マホロバ」のロゴマークが見える

  • 「全日本アマ選手権」優勝トロフィーを手にして

 ウインドサーフィン競技で2028年ロサンゼルス五輪出場をめざす横須賀市野比在住の井上隆選手(25)が、12月6日・7日に津久井浜海岸で開かれた「第22回全日本アマチュアスラローム選手権」で優勝を果たした。これにより、日本ウインドサーフィン協会が定めるプロ資格を取得。夢の実現に向けて、着実に歩を進めている。

 ウインドサーフィン競技で五輪種目とプロのレースは使用する道具に違いがあるなど、同じ土俵で戦うものではない。ただ、戦術的スキルには共通する部分も多く、「2つのカテゴリーに挑むことで総合力を高め、成長を加速させたい」と井上選手。今回、プロという対外的な肩書を得たことで、「自分の立ち位置を明確に示せるようになった」と話しており、高額となる遠征費用などをサポートしてくれるスポンサー集めにも力を入れていく。

 井上選手は現在、三浦市にあるリゾートホテル「マホロバ・マインズ三浦((株)四季の自然舎)」のアスリート社員として籍を置く。週3日の半日勤務という競技優先の恵まれた環境にある。

 だが、このポストは元々あったものではなく、彼自身が動いて作り出したものだ。

「就職はしない」理事長に直談判

 神奈川大学入学と同時にウインドサーフィンを始め、4年間レースに没頭。卒業後も選手活動の継続を決めていた。しかし、活動資金も生活基盤もない。頼ったのが、同大の理事長で地元経済界に顔が利く湘南信用金庫の石渡卓相談役だ。「五輪出場をめざしていること。練習時間を確保するために就職はしないこと。でも横須賀で活動していきたい」─。自身の想いと計画を綴ったレポートを提出し、面会を求めた。

 卒業式当日に石渡理事長との対面が実現。その場での出来事だ。理事長は即座に同ホテルに電話を入れて交渉。前例のないアスリート社員としての採用が決定した。ホテルが社内変革を求めていたこともあり、井上選手の熱意が「新しい風」として受け入れられた。

 2年半後の本番に向けて、ライバル選手との熾烈な代表争いが本格化していく。「現状では国内3〜4番手」と自己分析。来春にはスペインのマヨルカ島への海外遠征を計画しており、レベルアップを目指す。プライベートでは今年8月に結婚。飛躍のための土台はできあがった。

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