市内御成町のイタリア料理店「ラッテリア ベベ カマクラ」が、10月に開催された国産ナチュラルチーズのコンクールで、3部門入賞を果たした。同店は併設した工房で作る出来立てチーズが人気。代表の山崎大志郎さんは「チーズやイタリア料理の魅力を知ってもらうきっかけになれば」と話す。
部門最高賞も受賞
同店が挑んだのは、国産チーズの品質向上を目的に行われている「ジャパン・チーズ・アワード」(NPO法人チーズプロフェッショナル協会主催)。全国65工房が181品を出品するなか、同店は「ブッラータ」がモッツァレラ・バラエティ部門で銅賞、「リコッタチーズ」がリコッタ・プレーン部門で銀賞、そして「モッツァレラチーズ」がパスタフィラータ・モッツァレラ部門で最優秀部門賞(銀賞)と、3部門で入賞を果たした。山崎さんは「結果にはこだわっていませんでしたが、評価してもらえたことは素直にうれしい」と笑顔を見せる。
イタリア修業で魅力に開眼
山崎さんは横浜市出身。趣味のサーフィンを通じてその魅力に惚れ込み、15年前から鎌倉に住む。20年以上飲食業界に身を置き、県内を中心にイタリア料理店でサービススタッフ、料理人として働いてきた。
転機は3年ほど前。「本場の味を生活の一部として感じたい」とイタリアに渡り、南部・プーリア州のチーズ工房で約半年間修業した。
そこで目にしたのは、現地の食文化に深く根を下ろしたチーズの存在。「食事時になると『マンマ』がお鍋やタッパー片手にチーズを買いに来る。和食における豆腐のように、主役ではないけれど必要不可欠な食材だと分かりました」と振り返る。
この経験から昨年4月、御成町にチーズ工房を併設したイタリア料理専門店を開店。チーズがあることで料理の味が引き立ち、またチーズそのものの味が生かされるメニューを提供し続けている。
「ゴールないチーズ作り」
そのこだわりのチーズは、すぐに地域でも評判となった。特に人気なのが「ブッラータ」。巾着状にしたモッツァレラに裂いたチーズと生クリームを入れたプーリア州特産のフレッシュチーズだ。山崎さんは「最近では近所の人がぶらっと立ち寄って買っていくことも増えました。作りたてチーズの美味しさやイタリアの豊かな食文化を知ってほしいという理想に、少しずつ近づいていると感じています」と噛みしめるように話す。
今回の受賞について「自信にはなりましたが、ゴールではありません。むしろやればやるほど難しさを感じています。でも、これで満足と言うことはないからこそ、チーズ作りは面白い」と山崎さん。「今後は熟成チーズにも取り組みたい」と早くも次なる目標を見据えている。
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