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鎌倉のとっておき〈第25回〉 鎌倉と祇園会

掲載号:2017年6月30日号

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大町の八雲神社(明治以前は祇園天王社)
大町の八雲神社(明治以前は祇園天王社)

 2009年、国の重要無形民俗文化財に指定されている京都の祇園祭(古くは祇園会、祇園御霊会と呼ばれた)が、ユネスコ無形文化遺産保護条約「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載された。7月1日の吉符入から31日の夏越祭まで、1カ月に及ぶ京都の初夏の風物詩である。

 祇園祭は平安時代に疫病退散の神事を行ったことが始まりとされ、天皇、足利将軍、公家衆から庶民までが見物したという。

 このような長い歴史を持つ祇園祭、じつは古くに鎌倉へも伝わっていた。鎌倉の祇園祭がどのようなものであったかがわかる史料に、室町時代中期の関東公方足利氏の年中行事をまとめた「殿中以下年中行事」がある。この史料の6月7日の箇所には「神輿を立てられ、神楽あり〜関東公方が妻戸の内より拝する」、14日には「祇園会の船ども参る。色々な舞があり、関東公方も見物した」と記されている。この「船」とは船の形をした山車であろう。

 現在、京都の祇園祭では前祭の最後に「船鉾(ふねほこ)」が巡行する。これは神功皇后の出陣説話により鉾全体が船の形をし、御神体は大鎧を付けている。勇ましい武家に相応な山車である。かつて鎌倉で行われていた祇園会の「船ども」はどのような形だったのか、想像するだけで面白い。

 現在、市内では「鎌倉祇園大町まつり」が毎年行われており、今年は7月8日から3日間にわたり開催される。今も昔も行事を大切に伝えていこうとする想いは同じように思う。1年の半分が過ぎ、本格的な夏を迎えるにあたり疫病退散を祈念する。このような願いの祭の歴史があるのも鎌倉の魅力の一つである。

浮田定則
 

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