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鎌倉のとっておき〈第33回〉 鎌倉の梵鐘

掲載号:2018年1月19日号

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観応元年の銘が刻まれた東慶寺の梵鐘
観応元年の銘が刻まれた東慶寺の梵鐘

 一年の終わりと始まりを知らせる「除夜の鐘」。今年も多くの人が耳にし、新たな年への思いを胸に刻んだことだろう。寺院の鐘は「梵鐘」といい、音や形、刻まれた銘にそれぞれ特徴がある。

 鎌倉の梵鐘というと、国宝に指定されている建長寺の梵鐘や円覚寺の洪鐘が代表的である。銘文には北条時頼や北条貞時、蘭渓道隆など、権力者・高僧の名前が記されている。そしてこれに常楽寺の梵鐘(鎌倉国宝館に寄託)を加えて、「鎌倉三名鐘」と称する。

 常楽寺の梵鐘は鎌倉市内最古のもので宝治二年(1248年)と記されており、建長寺の梵鐘は建長七年(1255年)、円覚寺の洪鐘は正安三年(1301年)に鋳造された事が記されている。また長谷寺の梵鐘(観音ミュージアム収蔵)は文永元年(1264年)に鋳造された。鎌倉時代に造られたこれらをあわせて「鎌倉四大古鐘」ともいう。

 また、南北朝時代に鋳造された鐘も残っている。東慶寺の梵鐘は観応元年(1350年)と記されている。この鐘は材木座の補陀洛寺から移されたものである。

 中世の遺物の多くは戦火や災害で失われ、建物は再建が繰り返されている。しかし梵鐘は当時から使われ続けている貴重な存在で、今も昔も人々の生活の一部となっているのが特徴だ。

 梵鐘の銘文は読みづらいものが多い。しかし鋳造年と梵鐘の姿形、そして音を聞くだけでも十分に歴史を感じる事ができるだろう。そしてお気に入りの鐘を見つけるのも、お寺巡りの楽しみである。  浮田定則
 

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