鎌倉版 掲載号:2018年4月20日号
  • LINE
  • はてぶ

鎌倉のとっておき <第40回> 和のスイーツ 鎌倉から

禅宗・瑞泉寺の池泉庭園
禅宗・瑞泉寺の池泉庭園
 羊羹をはじめ栗饅頭や大福餅など、お茶うけとして欠かせない和菓子。鎌倉にも数々の銘菓があるが、その起源は鎌倉時代の禅宗や茶道の発展と深い関係がある。

 中世鎌倉では、食事は朝夕の二食であったが、禅宗では勤行(ごんぎょう)による空腹を補う間食として点心(空心(腹)に小食を点ずる意の禅語)があった。今でいうおやつである。

 当時の点心は、中国から渡来した羹(あつもの)をはじめ、うどんや素麺などの麺類、餅など。特に羹、例えば「羊羹」は、元々熱い汁に羊肉を使った蒸し物が入ったものだったが、日本の仏教思想では鳥獣肉を食べないため、羊肉に代えて豆類など植物性の素材を使い、色や形を似せるなどして作ったものだった。

 時を同じく、壽福寺の開山、栄西がもたらした喫茶の習慣と茶道の発展に伴い、茶道に使う菓子としての点心が求められていた。そんな中、当時輸入が増えていた砂糖と羹などの点心とが融合し、日本独特の点心の姿が徐々に形作られていった。これが現在の和菓子の源流(ルーツ)となったのである。

 室町時代には『庭訓往来』(庶民用の初等教科書)の中に点心として「砂糖羊羹」の記載も見られ、さらに茶道の隆盛とともに、わらび餅やくず餅など私たちにも馴染みの和菓子が茶味としても用いられるようになった。

 古都鎌倉は見どころあふれる禅宗文化発祥の地としても、また食文化のルーツ、多彩な“和のスイーツ”でも、訪れる人々の五感を楽しませてくれる街である。石塚裕之

鎌倉版のコラム最新6件

食事のマナー、時を超えて

鎌倉のとっておき 〈第47回〉

食事のマナー、時を超えて

10月19日号

鎌倉幕府滅亡と「尾州家河内本源氏物語」

鎌倉と源氏物語〈最終回〉

鎌倉幕府滅亡と「尾州家河内本源氏物語」

9月14日号

中世鎌倉の子育て事情

鎌倉のとっておき 〈第46回〉

中世鎌倉の子育て事情

8月31日号

『万葉集』の仙覚と北条実時

鎌倉と源氏物語〈第29回〉

『万葉集』の仙覚と北条実時

8月24日号

鎌倉幕府最後の将軍第九代将軍守邦親王

鎌倉と源氏物語〈第28回〉

鎌倉幕府最後の将軍第九代将軍守邦親王

7月27日号

鎌倉武士のまちづくり

鎌倉のとっておき 〈第45回〉

鎌倉武士のまちづくり

6月29日号

鎌倉版の関連リンク

あっとほーむデスク

鎌倉版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

「生活改善の機会に」

「生活改善の機会に」

薬剤師会が健康フェア

10月28日~10月28日

鎌倉版のイベント一覧へ

最近よく読まれている記事

コラム一覧へ

鎌倉版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2018年10月19日号

お問い合わせ

外部リンク