鎌倉版 掲載号:2018年5月11日号
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鎌倉のとっておき 〈第42回〉 鎌倉発の“ファッショントレンド”

鶴岡八幡宮の舞殿
鶴岡八幡宮の舞殿
 ここ鎌倉では、最近、和服姿の若い女性たちを見かけることが多い。この「和服」、歴史をたどれば、その原型は意外にも中世鎌倉の武家社会と大いに関係している。

 洋の東西を問わず、時のファッションリーダーは、当時の為政者や芸能関係者たち。

 平安時代なら貴族。特に女性の服装は、小袖(袖の小さな肌着)、長袴、袖の大きな表衣(うわぎ)、唐衣(上に羽織る衣)などを着込む優美な女房装束(十二単)が一般的だった。

 中世鎌倉は武士の世。服装も武家社会の質実剛健の価値観から、実用的で動きやすいものへと簡略化されていった。特に女性の服装は、袖の大きな衣から、「小袖」を表衣としてまとう形に変化し、徐々に一般化していった。この「小袖」が現在の和服の原型となり、以降、一層洗練され「和服」として確立されていったという。

 こうした服装の変化(トレンド)は、当時の為政者の姿からも見て取れる。

 幕府の歴史書『吾妻鏡』には、源頼朝が美麗な服装の家来の袖を自ら刀で切り取り、華美をやめるよう諭したとある。

 吉田兼好の『徒然草』には、5代執権北条時頼の求めに応じた武士が、「色々な染め物を三十反、それを目の前で女房どもに小袖に仕立てさせて後で贈った」との記載もあり、「小袖」のメジャー化もうかがえる。

 源義経の愛妾、白拍子の舞の名手だった静御前。当時のファッションリーダーには、今街ゆく人々のファッションはどのように映っているのだろうか。   

石塚裕之

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