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鎌倉のとっておき 〈第43回〉 異国文化と鎌倉の名産品

掲載号:2018年5月18日号

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西洋建築の鎌倉文学館
西洋建築の鎌倉文学館

 訪日外国人数が年間2800万人を超え、海外からの人気も高い古都鎌倉。

 ここ鎌倉は、古来から異国文化と日本の高い技術が融合し誕生した名産品の発祥の地でもある。

 まずは今や日本を代表する工芸品「鎌倉彫」。

 鎌倉時代、中国(宋)からもたらされた彫漆工芸品は、手間のかかった高級品で、人々が容易に手にできない憧れの品だった。

 そこで当時の仏師や宮大工は、これと同様の品を作ろうと持てる技術を活かし、木を彫刻したものに漆を塗る独自の方法を考え出した。かの運慶(鎌倉仏師の祖)の子、康運が宋の彫漆工芸品を真似て作った仏具が鎌倉彫の起源ともいう。

 以降「鎌倉彫」は、禅宗や茶道の発展に伴い、仏具や茶道具(鎌倉物)として珍重され、明治時代には、鎌倉が保養地として有名になるにつれ、人々の求めから茶托や菓子皿など今日のような品揃えになっていった。

 かたや西洋文化が育んだ加工食品の「ハム」。明治時代、当時の鎌倉郡(現戸塚区内)でハムを製造していた英国人ウイリアム・カーティスは、大地震で工場が火事となった際、共に消火に尽くしてくれた人々に、当時は秘伝だったハムの製造法を伝授したという。これを契機に、日本人の手による国産ハムが鎌倉から全国へと広まっていった。

 内外に誇る素晴らしい名産品を生み出してきた鎌倉の地。国際色豊かになった今でも、異国文化の香りとともに、日本人の職人気質が息づいている街でもある。 石塚裕之
 

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