鎌倉版 掲載号:2018年6月15日号
  • googleplus
  • LINE

鎌倉のとっておき 〈第44回〉 鎌倉と失われた名刹〜禅興寺〜

禅興寺塔頭の一つだった明月院
禅興寺塔頭の一つだった明月院

 鎌倉は神社仏閣が多く、都市に対する密度の高さが特徴の一つである。四方が山や海に囲まれ、場所が限られていた事もあるが、人々が身近に篤い信仰と神仏への崇敬の念を大事にしてきたからとも捉えられる。現在市内には160もの寺社があるというが、歴史を遡ると今は失われた寺社もある。それらを加えると相当な数が鎌倉にあった。

 失われた寺社の中には名刹もあった。例えば明月院の隣にあった禅興寺は、鎌倉時代に北条時宗が建て、蘭渓道隆が住持として関わった。鎌倉時代後期の「北条貞時十三年忌供養記」では、円覚寺、建長寺、寿福寺、浄智寺に次いで92名の僧侶が参列したと記されている。当時の規模の大きさがうかがい知れる。また関東十刹の第1位になった事もあるといわれ、格式の高さも備えていた。室町時代に描かれた「明月院古絵図」には明月院の左端に「禅興寺」と書かれている。江戸時代の「新編鎌倉志」には仏殿のような建物が描かれている。

 禅興寺は明治初期に廃寺となってしまった。このように今は鎌倉に存在しない寺社の中にも名刹があり、その跡地を訪ねるのも鎌倉散策の楽しみの一つである。 浮田定則
 

鎌倉版のコラム最新6件

鎌倉武士のまちづくり

鎌倉のとっておき 〈第45回〉

鎌倉武士のまちづくり

6月29日号

平禅門の乱平頼綱子息資宗と後深草院二条

鎌倉と源氏物語〈第27回〉

平禅門の乱平頼綱子息資宗と後深草院二条

6月15日号

異国文化と鎌倉の名産品

鎌倉のとっておき 〈第43回〉

異国文化と鎌倉の名産品

5月18日号

鎌倉発の“ファッショントレンド”

鎌倉のとっておき 〈第42回〉

鎌倉発の“ファッショントレンド”

5月11日号

第八代将軍久明将軍の鎌倉下向

鎌倉と源氏物語〈第26回〉

第八代将軍久明将軍の鎌倉下向

5月4日号

鎌倉と二つの北条氏

鎌倉のとっておき <第41回>

鎌倉と二つの北条氏

5月4日号

鎌倉版の関連リンク

あっとほーむデスク

鎌倉版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

特別展「富安陽子の世界」

鎌倉文学館

特別展「富安陽子の世界」

手書き原稿や原画を展示

7月14日~9月17日

鎌倉版のイベント一覧へ

最近よく読まれている記事

バックナンバー最新号:2018年7月20日号

お問い合わせ

外部リンク