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鎌倉 人物風土記

公開日:2018.11.02

NPO法人「将棋を世界に広める会」の理事長で、このほど大山康晴賞を受賞した
眞田 尚裕さん
梶原在住 85歳

将棋の魅力 世界に伝える

 ○…長年にわたり将棋の普及や文化振興に多大な貢献のあった「アマチュア普及の功労者」に、日本将棋連盟が贈る「大山康晴賞」をこのほど受賞した。「私が貰っていいのかと驚いた。受賞パーティでは羽生善治竜王にも『おめでとうございます』と祝福してもらい嬉しかった」と振り返る。

 ○…東京出身。将棋の高度な戦略性のとりことなり、小学生の頃から2歳年上の兄とともに腕を磨いてきた。大学卒業後は大手百貨店に就職し、定年退職するまで外商部での営業や教育担当などを務め上げた。「鎌倉で作家の川端康成の家に営業に行ったことも。最初はおっかなかったけど、高級シャツなどを買ってもらえた」と笑顔で振り返る。サラリーマン生活の間も会社に部を作り、近所のクラブにも通うなど将棋を続けてきた。

 ○…「世界にはチェスなど似たゲームはあるが、取った駒をまた使って攻めに転じるなど、将棋には独特な面白さがある。外国の人々にも魅力を伝えられないか」。そんな構想をある新聞の取材で話したところ、次々と賛同者が集まり、1995年に「将棋を世界に広める会」を設立。以来20年以上にわたって中国、韓国、ロシアなど様々な国を訪れては現地で指導者を育成したり、大会を開くなどの活動を続けてきた。「最近では日本での大会にヨーロッパやアフリカからも選手が来日するなど、成果を実感している」と相好を崩す。

 ○…景観の良さに惹かれ、1971年に鎌倉に転居。60年にわたり毎号購入している月刊誌『将棋世界』で新たな戦略を研究するなど、今なお将棋への情熱は衰えない。「ポーランド出身の女流棋士カロリーナ・ステチェンスカさんのように、海外からプロを目指す若者が出てきてくれたら」と期待している。

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