鎌倉市内でも振り込め詐欺による被害が後を絶たない。今年1月から10月までの認知件数(未遂含む)は63件。前年同時期と比べて被害額こそ減ったものの19件、約1・5倍の増加となった。特に鎌倉警察署管内は全体の7割を占める(詳細は左のグラフを参照)。
12月は活発化傾向
鎌倉署生活安全課によると、狙われやすいのが「年金支給日後」だという。「行政機関や金融機関などが休みになる年末年始は、詐欺グループが職員らを装って電話することができない。その分『12月のうちに』と動きが活発化する傾向がある。12月の年金支給日は14日。より一層注意が必要です」と呼びかける。
孫の力で被害抑止
鎌倉署では、狙われやすい高齢者の孫世代の児童・生徒に被害を抑止してもらおうと、学校の協力を得て啓発活動にも取り組んでいる。
11月には鎌倉女学院を訪問し、防犯講座のなかで祖父母らへの声かけを依頼した。同署担当者は「お孫さんの話にはしっかりと耳を傾けてくれるはず。詐欺について家族で話す機会を設けてもらえたら」と話す。
企業の協力で被疑者検挙
市民や企業が詐欺被害を防止した例もある。鎌倉署では11月15日、被害を未然に防止した市民と被疑者検挙に協力した企業に感謝状を贈った。
マンションの管理人・門田高夫さんは住人の女性から「息子の上司に会うので一緒に来てほしい」という相談を受けた際に、不審に思って警察に通報したところ、息子をかたる詐欺と分かった。
またグリンハイヤー(株)に勤務する齊藤美子さんと青柳美香さんは、同署管内で発生した詐欺事件の被疑者がタクシーで逃走中という情報から、同社の車両に乗車している可能性が高いと判断。当該車両の位置情報などをリアルタイムで同署に伝えた。
そして車両が交差点で信号待ちをしていたところへ署員が駆け付け、被疑者を検挙した。
詐欺防止の「秘密兵器」大船署がノジマで講習
大船警察署では11月21日、ノジマ鎌倉店(コーナン鎌倉大船モール内)で詐欺対策のための「迷惑電話防止機能付電話機講習会」を実施した。
電話機は、着信音が鳴る前に「この電話は録音されています」といったアナウンスが流れる機能が付いたもの。詐欺の犯人が声を録音されるのを警戒し、受信者が出る前に電話を切るなどの効果が期待されるという。
当日は、高齢者らに署員が詐欺被害の実態と「留守番電話を設定することも被害防止につながる」などの対策を紹介。同店の店員が電話機の使い方を説明した。参加者は「不審な電話が掛かってきた知人もいる。この電話機を近所の人にも紹介したい」と話していた。
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