きょう人生4つ目の時代を迎えた1人、特養鎌倉静養館(由比ガ浜)で暮らす島田ヤツ子さん(105)に話を聞いた。
1914年(大正3年)に大阪市東区(現在の中央区)で生まれた島田さん。実家が商売をしていたため、いつも外で遊ぶ活発な少女時代を過ごした。当時撮った写真には、洋服に下駄、日傘と大正らしい文化の入り混じった姿が収められている。
祖母に「嫁の貰い手があるかどうか。1人でも食べていけるように」と三味線を教えられ、小学校1年の時には浄瑠璃も習わされたが「訳わかれへん」と「やんちゃ娘」には合わなかったという。
祖母の心配をよそに、22歳の頃、縁談話が。親戚や仲人が次々とやって来て、あれよあれよという間に結婚したが、7つ上の夫はすぐに戦争へ。3度の招集があり、計10年間、1人で家を守った。
待望の第一子が生まれたのは33歳の時。当時にしては遅めで、長女は「ずっと両親は普段着が着物だったから、学校の参観日や運動会は、オシャレな洋服の若い親たちと違ってなんだか恥ずかしかった」と振り返る。
72歳の時に夫が他界。「大阪に1人でいては心配」と娘たちの提案で、次女の住む埼玉県へ。同居を勧められたが、「1人の方が気ぃが楽」と75歳にして、見知らぬ街で初の1人暮らしに挑戦した。
その後、鎌倉の長女宅へ引っ越し、100歳から静養館での生活を始めた。趣味の1つは書道。今年の正月にも皆に腕前を披露したそうだ。
現在、105歳。健康に長生きする秘訣は「無理しないこと」。年齢を聞いた人は皆驚くというが「自然と105になったからなぁ。令和になるみたいやけど、歳考えておとなしくせな」と笑う。
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