清流の息吹を訪ねて 鎌倉淡水魚紀行vol.2 珍客・ウナギ(前編)
前回は盛夏のアユについてお話しましたが、夏の神戸川でアユの撮影をしていると、カメラのファインダー越しに思いがけない珍客が入り込むことが多々あります。
ウナギもその一つで、予期せぬ出現にいちいち驚かされますが、同時に生物の豊かさを感じさせてくれます。ここ神戸川には、アユをはじめ、多くのハゼの仲間、モクズガニや手長エビなどの甲殻類が生息しておりますが、これらが生息する川には、ほぼ100%の確率でウナギもいると考えてよいでしょう。
特にこれら魚同士に密接な関係はありませんが、川と海を往来する点では生活史が共通しており、ちゃんと海と川を往来できている証拠でもあります。
そして何よりも、またこれらの多彩な生物が生息している事で、水質の良さが裏付けられ、またウナギにとって最高な餌場をもたらしてくれていることが分かります。
次回は、大衆的で誰もが知っているウナギの知られざる私生活についてご紹介します。
2020年12月18日号