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鎌倉 文化

公開日:2021.11.05

義時講座
仏像から探る鎌倉時代
国宝館・山本勉館長が講演

  • 運慶作の仏像(左)の特徴を話す山本館長

 第2弾となる連続講座「北条義時とその時代を学ぶ」の2回目が10月30日、鎌倉歴史文化交流館で行われた。同館・鎌倉国宝館主催。

 この日のテーマは「北条氏と仏師・仏像」。講師は鎌倉国宝館館長で、仏師・運慶研究の第一人者として知られる山本勉さんが担当した。

 講座では、【1】頼朝以前【2】願成就院と時政【3】幕府初期【4】実朝・政子と義時【5】泰時の5つのテーマに分け、鎌倉幕府と中央(京・奈良)との関係、北条氏と他氏との勢力関係、鎌倉武士の風土などを、仏像制作の背景、作者、作風の違いなどから言及した。

 「頼朝以前」にも、中央(奈良仏師)の手による仏像が鎌倉周辺で見つかっていることから、優れた仏師を呼び寄せることができたことをあげ、頼朝の父・義朝や頼朝と中央や近隣諸国との関係を説明。

 山本さんは続いて、1186年5月に運慶が造像を開始した願成就院(伊豆の国市)の阿弥陀如来、毘沙門天像の写真を見せながら、これまでの仏像との表現の違いを説明。「関東で手掛けたことから中央の造仏規範を受けずに、また力強い男性的な印象を与えるのは、仏師が抱いていた鎌倉武士をイメージしたものでは」と話した。

 講座では、政子の周辺でレベルの高い仏像があったことや、中央ではなく鎌倉を源流とする仏師の存在などについても言及し、参加者らは熱心にメモを取っていた。

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