神奈川新聞社元記者で、ジャーナリストの浅田勁(つよし)さん(77・綾瀬市在住)の著書「女たちの鎌倉幕府-19人の女性と北条義時を描く」がこのほど、かまくら駅前蔵書室から発行された。現在放送中のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を横目に、激しい権力闘争のなかで生きた19人の女性に焦点をあてた。
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著者の浅田さんは1968(昭和43)年に神奈川新聞社に入社して、横須賀支社長兼報道部長などを歴任した。40代後半で赴任した横須賀を拠点とする三浦半島で、鎌倉幕府の成立に関与した当地の三浦氏一族を知り、50代のころから本格的に歴史研究を始めた。
鎌倉幕府成立の立役者とされる三浦氏や、その三浦氏と対立した北条氏ら幕府を取り巻く坂東武士を中心に、源頼朝の挙兵から開府、近世に至る歴史研究は現在まで続くライフワークとなった。
浅田さんは、2020年10月から翌年3月にかけて神奈川新聞社が連載した「女たちの鎌倉幕府」を執筆し、今回はその原稿に加筆して上梓した。著書では「身近な地域の歴史」として、早川城跡など住まいの綾瀬市にゆかりのある渋谷重国(生没不詳、「吾妻鏡」に登場)と、その一族の興亡についても紹介している。
全20回に及んだ新聞連載は、今年1月にスタートしたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を意識した企画で、読者からの反響や書籍化の要望もあり出版に至った。浅田さんは「大河ドラマでは男たちの激しい権力闘争が描かれると思い、その様子を女性たちはどう見て、どう生きたかに視点を置いた。現代日本にも繋がる鎌倉幕府の政治を知るきっかけにして頂ければ」と話している。
定価1650円(税込)四六判。販売所などの問い合わせは、かまくら駅前蔵書室【携帯電話】090・6145・9493へ。
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