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鎌倉 経済

公開日:2023.08.03

和菓子店なのに文具?
鳩サブレー社長が極秘考案

  • 文具が並ぶ豊島屋本店、手前の消しゴムブロックスは新作。来店時はテーブルの形にも注目を

 8月10日は鳩の日。鳩サブレーで知られる和菓子店「豊島屋」が制定した記念日だ。今回の調査テーマは、豊島屋の文具や雑貨について。小町にある本店のグッズコーナーには、観光客がひっきりなしに訪れる。定番の鳩サブレーや和菓子に負けないほどの人だかりだ。和菓子店なのに、なぜ文具を売っているのか。誕生のきっかけや思いを聞いた。

 初めてグッズが発売されたのは、2002年。今も1番人気という鳩サブレー型の根付「鳩三郎」=写真=と、白い鳩型の鈴「鳩ぽっぽ」だ。

 以来、吾妻鑑をもじったミラー「鳩妻鏡」、ミニカーつきの遊べるボールペン「ハトカー」、黄色い缶入りのサブレー型消しゴム「鳩けし」など、実用品からくすっと笑えるものまで、40種を超える商品が発表されてきた。

 実はこれらの商品、すべて久保田陽彦社長が1人で考案している。企業との打ち合わせや発注、命名までも「こっそり」行っていると言い、広報の社員ですら、新商品を知るのは発表1週間ほど前という。

きっかけは黄色い缶

 発端は「食べ終わった後も(鳩サブレーの)黄色い缶を収納に使っている」という地元ファンの声。当時は「そんなにも愛着を持ってくれているとは」と驚いたという。

 「もっとファンを増やしたい」という思いに、メーカーの展示会に足を運ぶほどという久保田社長の文具・雑貨愛が合わさり、数々のグッズが生み出された。

 鳩にちなんでいるのは、商品だけでない。一部商品は、かつて採算度外視で、価格を810(はと)円にしていたこともあったという。

本店限定で観光振興

 豊島屋のグッズは、小町の本店限定。オンライン販売を求む声も多いが、これには理由が。

 それは観光振興だ。「鎌倉へ足を運ぶきっかけの1つになれば」。鎌倉商工会議所会頭も務める久保田社長らしい思いが込められている。

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