神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
鎌倉版 公開:2024年9月27日 エリアトップへ

鎌倉のとっておき 〈第172回〉 かまくら花めぐり(長谷寺:陽春から)

公開:2024年9月27日

  • X
  • LINE
  • hatena
長谷寺の菖蒲
長谷寺の菖蒲

 陽春の頃は桜。眺望散策路の山桜が白い花を咲かせる頃、さくら広場では、枝ぶりも見事な染井吉野や枝垂桜が花開き、境内は春本番を迎える。海光庵近くで三葉躑躅(みつばつつじ)が明るい紫色の花を咲かせると、清浄池(しょうじょういけ)周辺などの石楠花(しゃくなげ)も桃色や紫色の花を付け、境内に彩(いろどり)を添える。かたや地蔵堂へ続く路沿いや緑陰(りょくいん)の庭では、碇草(いかりそう)が紫色の清楚な花々を咲かせてくれる。

 初夏の頃は菖蒲(しょうぶ)。妙智池(みょうちいけ)や放生池(ほうじょういけ)周辺で青や紫の花々が咲き揃う。特に花筏(はないかだ)に乗った花々は、庭園に落ち着いた和の雰囲気を醸し出してくれる。また妙智池周辺では、白い源平小菊(げんぺいこぎく)や、淡いピンクの昼咲月見草(ひるざきつきみそう)が可憐に咲く。さらに大黒堂周辺では、白雲木(はくうんぼく)や匂蕃茉莉(においばんまつり)が白や薄紫からなる沢山の花を付ける。そして書院周辺では、赤い牡丹(ぼたん)や桃色の芍薬(しゃくやく)が競うように咲き、境内は賑やかさを増していく。また白めだかの池では、赤紫色の睡蓮や花期の長い黄色の浅沙(あさざ)が目を楽しませてくれる。

 雨の季節が近づくと、地蔵堂へ続く路沿いでは、その岩陰などで紫色の岩煙草(いわたばこ)が密やかに咲く。また海光庵周辺では、淡い黄色の招霊木(おがたまのき)がほんのりと香り始める。そして紫陽花。全山が赤や紫など多彩な花々で飾られる。特に眺望散策路は、40種以上、約2500株の花々で彩られ、ここから望む鎌倉の青い海と紫陽花とが織りなす美しい光景は、訪れる人々の心を癒してくれる。

石塚裕之

鎌倉版のコラム最新6

古都の縁(鎌倉と京都)――西田幾多郎ゆかりの場所

鎌倉のとっておき 第185回

古都の縁(鎌倉と京都)――西田幾多郎ゆかりの場所

6月20日

鎌倉の祗園

鎌倉のとっておき 第184回

鎌倉の祗園

5月23日

黒地蔵盆の夜

鎌倉のとっておき 第183回

黒地蔵盆の夜

5月2日

ありがとう宝戒寺

鎌倉のとっておき 〈第182回〉

ありがとう宝戒寺

4月25日

建長寺と法隆寺の鐘

鎌倉のとっておき 〈第181回〉

建長寺と法隆寺の鐘

4月11日

かまくら花めぐり(建長寺:夏から)

鎌倉のとっておき 〈第180回〉

かまくら花めぐり(建長寺:夏から)

3月21日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

鎌倉版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2025年7月17日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Facebook