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高周波ホットバルーンカテーテルとは 心房細動治療で注目 取材協力 葉山ハートセンター
「心臓のがん」とも称される心房細動は、放置すると心不全や脳卒中を引き起こす深刻な不整脈である。この疾患に対し画期的な治療法として高周波ホットバルーンカテーテルによるアブレーション治療が注目を集めている。
従来の電極カテーテルアブレーションでは、肺静脈周辺を焼灼する際、細い電極で数十回から100回焼灼する必要があり、X線透視時間の長期化や合併症が懸念されていた。また、点状の焼灼では再発のリスクも高かった。
これらの課題を克服するために開発されたのが、高周波ホットバルーンカテーテルである。このカテーテルは、直径約25mmのバルーンを用いて、従来の電極カテーテルの10倍の範囲を一度に焼灼できる。バルーン内部の生理食塩水と造影剤を高周波で加熱し、その熱を不整脈の発生源に伝えることで、安全かつ均一な焼灼が可能となった。
開発者の葉山ハートセンター副院長・佐竹修太郎医師は、その有効性を「電極カテーテルでは100回必要だった焼灼が、ホットバルーンなら10回で済む」と語る。
同センターにおける臨床研究では、発作性心房細動に対する1回の治療で90%、2回の治療で96%の患者が薬物療法を必要としなくなった。慢性心房細動においても、1回で80%、2回で90%の患者が薬物療法から解放され、症状の軽快が見られた。
安全性に関しても、特筆すべきデータがある。(一社)日本医療安全調査機構の2021年発表によると、他のアブレーション治療法で死亡例が報告される中、ホットバルーンカテーテル単独使用では死亡例は報告されていない。
同治療は、心房細動の根治を目指せる安全で有効な治療法として、今後の発展が期待される。
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