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茅ヶ崎・寒川 文化

公開日:2013.03.15

作りだす人たち。
「自分達のROCK」を再び
岡本洋平さん(ヘルマンH.&ザ・ペースメイカーズ)

  • 活動再開後のライブも話題に(今年2月)

 90年代後半から00年代、日本のロックシーンを盛り上げたバンド「Hermann H.&The Pacemakers」(以下、ヘルマン)。昨年活動再開が発表され、このほど新曲を含むベスト盤(ワーナーミュージックジャパン)が発表された同バンドのギター・ボーカルが岡本洋平さん(34)=美住町在住=だ。



 洋楽、邦楽の良さを兼ね揃えつつ、一筋縄ではいかないロック。時折覗かせる抒情的なメロディと歌詞が混然一体となった個性的なバンド。そんなヘルマンの楽曲制作を担う一人が岡本さんだった。慶応大学のサークルで結成し01年にメジャーデビュー。業界での評価も高く、多くのファンを獲得したが岡本さんは「友達同士で始めたのがいつの間にか仕事になって摩耗していきました」と当時を振り返る。相次ぐメンバー脱退などもあり、05年に活動休止に陥った。



地元を再認識



 休止後はソロCDの発表や他アーティストのプロデュースなど地道な活動を継続した。その拠点は生まれ育った茅ヶ崎だった。



 「10代から忙しく過ごしてきた頃は気付かなかったけど、活動休止してから”俺にはここ(地元)があるじゃない”って再認識できたのは大きかったです。茅ヶ崎は優しくてスローな街」。同級生との交流やサーフィンなども心の棘を抜いていった。



 「7、8年放っておいたし、もうやらないと思っていた」(岡本さん)というバンドだったが、様々なミュージシャンから”何でやらないの?”と言われ続けていた。「一回全部聴き直してみたら、僕らはやりたいことをやってそれが評価されてきたバンドだったんだなって気づいて、よく分からないけどけじめをつけたいなって思ったんです」



 バンドが大事にしていた音楽をもう一度みんなの前で問うてみたい――。昨年の復活ライブは1千人規模の会場でチケットが完売するなど、ファンが待ち続けた待望のものとなった。「忘れないでいてくれたのが嬉しかったし、驚きました。僕らの代わりになる様な音が無かったと実感しました」。その後は脱退していた元メンバーも合流、かつての勢いを取り戻し本格的な再始動となった。



 「これまでやってきたこととこれからやりたいことが詰まったものになっています」。ベスト盤が発表され、今後はライブ活動や新作への期待も高まっている。紆余曲折を乗り越えた今だから出せる迷いの無いロックが再び鳴り始めた。

 

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