山本康士さん(29)=市内菱沼海岸在住=が手掛けた短編映画「Ghost of the Sun」が5月22日まで行われた「第69回カンヌ国際映画祭」に出展された。
この作品は、余命わずかな孤独な女性が死の恐怖や悲しみに捕われ、炎の幻覚や亡霊を見るようになり、現実と幻覚の境界が消え始める―というストーリー。自身の祖母の死にまつわる経験から「死に対する恐怖や救い」をテーマに、監督、脚本、CG製作など1人7役を務めた。ロケは神奈川県内で行われたが、主演にアメリカ人を起用するなど「日本映画らしくないビジュアル」に徹底的にこだわった手法を用いて、独自の世界観を生み出した。
渡米し映画を学ぶ
「幼い頃から茅ヶ崎の自由な雰囲気の中にいた。海沿いで育ったことは作品にも影響している」と話す山本さん。浜須賀中1年時に映画館で見た『グラディエーター』に大きく心を揺さぶられ、自宅に帰ると母に「将来アメリカに行って映画をやる」と宣言した。
鎌倉学園高等学校卒業後に渡米。スピルバーグ監督の出身校でもあるカリフォルニア州立大学ロングビーチ校映画学科で学び「世界の映画制作はレベルが高い。海外の作り手は手法もまるで違い、物語に深さがある」と衝撃を受けた。卒業後は日米両国で映画や広告動画制作に携わり2012年、日本に帰国。現在は自身が設立した制作会社「Coast Vision Productions」の代表兼映画監督を務めている。「人間の奥底にある闇や苦しみを描いてこそ映画だと思ってやってきました。『暗闇の中に潜む微かな光のような美しさ』を描く、その部分は一生変えずにいきたい」と話した。同映画の詳細は【URL】http://www.ghost-sun.com/へ。
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