市内在住のフランス料理家・小川奈々さんの著書『パリの有名レストランを巡って辿りついた、私の星付きビストロレシピ』(誠文堂新光社)が2月はじめ、グルマン世界料理本大賞の25周年ベストオブベスト・フレンチ部門の最優秀候補8作品にノミネートされた。
料理本のアカデミー賞と称され、世界各国の著作が毎年栄誉を競うコンテスト。今年は25周年を記念して、歴代入賞作の中からさらにベストが選ばれる。小川さんの著書は2017年に日本グランプリ、世界準グランプリを受賞し、19年には「日本のフランス料理本において、もっとも深くフレンチを理解している」として、パリのユネスコ本部に展示された。
”身近で美味しいフレンチ”をコンセプトに、前菜からデザートまで60
品が紹介されているレシピ本。”柿とクレソンのサラダ”や”りんごの入ったテリーヌ・ド・カンパーニュ”など、近所のスーパーで手に入る食材を使った。「フレンチは難しいと思われがち。少しの手間で、家の料理がオシャレで楽しいものになるはず」と小川さん。
格式だけでなく日常の美味しさを
フレンチを極めるため、料理学校の名門「ル・コルドン・ブルー」の東京校、パリ校に学び、研修生としてフランス外務省で国賓をもてなす技術も吸収した。卒業後は、現地で憧れのミシュラン星付きレストランに就職。しかし、調理が分業化された一流の現場で学ぶほど、自分の目指す”普段の生活の中で味わえる気取らない美味しさ”との違いが見えてきた。
そんな中、出会ったのが居酒屋と訳される”ビストロ”店のシェフ。食材の調達に市場へ足を運び、その時々の食材を活かす手法と、自身の知識や技術を惜しみなく与えてくれる恩師の姿勢に触れ、料理の楽しさを改めて思い出した。帰国後、現在は市内で少人数制の料理教室を主宰しながら、企業のアドバイザーや講習会など多方面で活躍する。
ノミネートされた著書はこれまでの思いを込めた初のレシピ本。小川さんは「本を通して、作る楽しさ、食べるうれしさ、そしてみんなで共有する喜びを知ってもらえたら」とほほ笑んだ。
歴代ベストは6月、パリのルーブル美術館で開かれる式典で発表される。
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