茅ヶ崎・寒川 文化
公開日:2020.07.24
霊験あらたか「第六天の黒松」
社殿・庶民を見守り200余年
国道1号沿い、十間坂にある「第六天神社」の社殿の裏手に、勇壮にそびえ立つ樹齢200年の黒松がある。実はこの御神木、ご利益のある『第六天さんの黒松』として、地元住民はもとより、各地の信心深い人から厚く崇敬されている。この黒松にまつわる歴史と逸話について、櫻井明彦宮司(78)に聞いた。
第六天神社はその名の通り、身の丈が二里(約8Km)、寿命は1万6千歳という強靭な魔力をもった第六天魔王が奉られている神社。創建時期は不詳だが、不老長寿や、旧東海道の旅の安全祈願の守護神として崇められてきた。
幹周りはおよそ1〜2m、天高く伸びる樹高は十数mにおよぶ黒松。古くから御神木として大切にされてきたが、ご利益のある「パワースポット」として広く知られるようになったのは、十数年前のこと。情報誌で「パワーをもらった」という投稿が掲載されたのがきっかけだった。
多くの参詣者や口コミによって、櫻井宮司はこのブームを知るも、取り合わなかった。しかし、神社役員らと世界文化遺産の三保の松原や日本三景・天橋立の松林を訪れた際に、「第六天さんの黒松」の神威を改めて実感、考えが変わった。「海風にさらされていない分、木肌も良いし、まっすぐに伸びていて全く引けを取らない。よし、多くの人に知ってもらおうって」
足場の悪い道を整備し、階段を設けたほか、樹木医を呼んで傷や病気を治療。新たに案内板も設け、参詣者を出迎えるようになった。
漁師の道しるべ
『第六天の黒松 右を見れば江の島 左を見れば二子山(箱根)』。
これは茅ヶ崎の漁師に知られる伝承だ。かつて茅ヶ崎沖に出漁した際、黒松が自船や漁場の位置確認の道標として利用されていたという。今となっては信じ難いが、同神社が国道や近隣の土地よりも高い位置にあることや、黒松と漁港、豊かな漁場だった烏帽子岩が一直線上にあることを鑑みれば、合点がいく。櫻井宮司も「昔はこの辺りはなだらかな砂丘だったのでは」と推測する。
戦争中の原料や遊び場としても
200余年の時代の移り変わりとともに、黒松の役割も変遷してきた。
1940年代には落雷に遭い、中程から折損。その身をもって御社殿を守ったとされるほか、根元の傷痕は、太平洋戦争時に飛行機の燃料として松根油を採集するためにくり抜かれたものだ。戦後は、境内に開所した幼稚園の子どもたちの成長を見守りつつ、遊び場として親しまれた。
近年はパワースポットのほか、トンビやカラスの”ゆりかご”や”タワーマンション”に。この春にはカラスが卵を産み落とし、つい数日前に雛が巣立ったばかり。「トンビは木で巣作りしたのに、カラスは金属のハンガーで巣作りしていた。『トンビは木造』『カラスは鉄骨造』だねって皆で笑いました」
霊験あらたか「第六天の黒松」。この先も変わらず万物すべてを包み、見守り続ける。
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