茅ヶ崎・寒川 文化
公開日:2023.07.28
「誠をもって画業励む」
小山敬三の孫が講演
文化勲章受章者で茅ヶ崎名誉市民の洋画家・小山敬三(1897〜1987)に関する講演会が7月23日、茅ヶ崎公園体験学習センターで開催された。講師として、同画伯の孫で小諸市立小山敬三美術館の学芸員である中嶋慶八郎さんが「その生涯と芸術観」をテーマに語り、100人を超える聴衆が集まった。
中嶋さんは、長野県小諸の旧家に生まれた小山が同郷の島崎藤村にフランス留学を勧められ、フランスとスペインで8年間修業を積み、多くの画家と親交を結んだことなどを説明。「西洋絵画に学んだ伝統的な思想と技術を東洋の精神と融合させ、日本の洋画を創り出した。帰国後は代表作となる『白鷺城シリーズ』で独自の画風を構築した」と述べた。
また、心を込めて物事に取り組むという「脩誠」の考えを父から受け継ぎ、「気韻生動」の画境を目指した小山の人柄も紹介。「穏やかで誰に対しても礼儀正しく、家族を大切にした。形式にこだわらず、茶目っ気があった」と話した。
ちがさき丸ごとふるさと発見博物館(市社会教育課)と茅ヶ崎純水館研究会が講演会を主催。約100年前にあった純水館茅ヶ崎製糸所と小山敬三について、同研究会の名取龍彦さんによる講演も行われた。敬三は純水館長・小山房全(ふさもち)の義弟にあたり、南湖に自宅とアトリエを構えた。
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