茅ヶ崎・寒川 社会
公開日:2025.11.07
「女性隊員のモデルに」
本署警備第二課救助小隊 二上奈央さん(27)
今年10月に本署警備第二課救助小隊(救助隊)に配属された。火災や災害の現場で人命救助を行うレスキュー隊だ。その証であるオレンジ色の制服をまとい、日々の訓練や出動に打ち込む。女性隊員16人のうちレスキュー隊は二上さんただ一人。「希望していたので、決まったときはうれしかった。でも、緊張感も湧いてきて身が引き締まる思い」と心境を明かす。
大学を卒業して一度は電機メーカーに就職していた二上さん。警察官の姉から影響を受けたことから消防士を志し、2年前に採用された。「人を助けることに魅力を感じた。小学2年生から大学までバスケットボールを続けていて、そこで培った体力、忍耐力を発揮して現場の最前線で働きたかった」
傷病者に安心感与えたい
「職員は男性が多いが、女性でも通用する職業だと感じている」とし、その理由として、傷病者を手当する際に「女性隊員の方が緊張せずに安心して身を預けられる」といった声をもらうからだという。「柔らかい印象を持っていただけて、役目が果たせている」と話す。一方、体力面では難しさを感じている。「人一倍努力しても男性隊員の当たり前のラインに立てるのがやっと。3倍ぐらい体力づくりをしないと」と、現在は非番の日にランニングやジムでのウェイトトレーニングに励んでいる。
今後は2つの目標達成を目指す。1つ目は、消防救助技術大会の地方大会に「障害突破」競技(5つの障害を突破してその技術とスピードを競う)で出場し、さらに全国を狙うこと。2つ目は、出産や子育てを経て職場復帰し、将来的には小隊長として現場で指揮を執ること。「特に茅ヶ崎では女性が育休、産休で復帰した前例がない。私がこの目標を達成することで女性隊員の不安を取り除くモデルになれば」
固い決意を持って、職務に奮闘する。
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