日本証券業協会の会長を務める 稲野 和利さん 茅ヶ崎市在住 60歳
投資の世界 もっと身近に
○…国内の証券会社が加盟し、業界のルール作りや不正の未然防止などを自主的に行う「日本証券業協会」の新会長。来年から始まる新制度NISA(小額投資非課税制度)の立ち上げや、同制度を推進していく業界団体のトップに就いたのは今年7月。「投資の世界をもっと知って貰いたいという課題に対して、業界として取り組んでいく制度の一つがNISAです。貯金とは異なる金融資産の形成として活用して頂きたいですね」。名称選定にも関わっただけに力も入るが「出来ないことをやろうとしても重圧を感じるだけなのでとにかく時間はかかっても進めていきたい」と、中長期の発展を見据える。
○…東京生まれで2歳の時に茅ヶ崎へ。当時、広大な原っぱや砂浜が広がるこの地をよそ目に大人しい子ども時代を過ごした。「本ばかり読んでいました。鉄道の時刻表なんかも読み漁っていましたね」と懐かしむ。平和学園小学校から県内の中高一貫校へ進み、東京大学へ。証券会社に入ったきっかけは偶然だ。「所属した卓球部で4年の時に全国大会の委員長になって、大会スポンサーを探す営業に回されたのが金融、証券会社でした。訪問先のイメージが良かった」。入社したのはその時に訪問した野村證券(株)。これまでに同社専務取締役、野村アセットマネジメント(株)の取締役社長などを歴任した。
○…新人時代に寮暮らしを経験したが、32歳の時にこの地に居を構えた。犬の散歩や妻との買い物など、多忙を極めても地元に戻るとこの街のモードに切り替わる。「海の近くは開放的で過ごしやすい。一度ここで暮らしてしまうと離れられませんね」と、湘南人の顔も覗かせる。将来は地元に貢献できることがあれば、との考えもあるが「まずはこの職を全うすることだと思っています。投資市場を良くしていく努力をしていきたいですね」。しばらくは業界最前線での舵取りが続きそうだ。
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2018年12月14日号