中学校美術作品展の中心企画者として、40年以上携わってきた 山本 幹雄さん 65歳
物事の本質追求し、熱血指導
○…茅ヶ崎市美術館で12月2日(日)まで開催中の『茅ヶ崎・寒川地区中学校美術作品展』。40年以上の歴史があり、開始当時から中心企画者として尽力してきた。「葛藤や悩みなど、美術制作を通して試行錯誤した子どもたちの考えるちからを作品から感じ取ってほしい」と微笑む。美術教諭のキャリアと同じ年数携わってきた作品展との関わりも今年度が最後。定年退職後の再任用から5年、美術教諭を卒業する。
○…多感な時期の中学生を“何者でもない者たち”そして“何者にでもなれる者たち”と表現する。だからこそ授業に熱が入る。教科書一辺倒では面白みがなく、子どもたちの心に響かない。エネルギーや貧困などの社会問題を織り交ぜながら授業を進め、世の中の仕組みなども説いてきた。「すべての事柄はつながっている。物事の本質を見極める力を育てたかった」。熊本県のPRキャラクター“くまモン”を生み出した水野学氏は教え子で、この言葉に感銘を受けたひとり。いまでも師と仰がれる。
○…新潟県で生まれ育った。絵が得意な少年は、中学、高校と陸上部で汗を流し、関東大会への出場も果たした。中学の美術教諭を目指し東京学芸大学に進学し、就職と同時に茅ヶ崎へ移り住んだ。3人の息子は独立し、現在は妻と2人暮らし。趣味は登山。夏になると毎年北アルプスを縦走しているといい、「今年も良かった」とにやり。他にも、ジョギングやマーマレード作りと趣味は多い。
○…教科書の作成にも30年以上携わり、8年前には文部科学大臣優秀教員表彰も受賞した。現在は松林中学で教鞭を執るが、それも残すところあとわずか。「子どもたちは皆可能性を秘めている。厳しく、包み込むように育てていきたい」。熱血指導は最後まで続く。
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