ニュースキャスターやイベントMCなどとして働く 杉崎 桃子さん 寒川町在住 21歳
プロは静かに技磨く
○…J:COM小田原でキャスターを務め、担当する地域ニュースはネットで全国配信中。視聴者から見れば「ごく普通」の20分間に、報道人としてのこだわりが凝縮している。姿勢、目線、まばたき回数、語り口も早すぎず遅すぎず、分かりやすく。カメラの向こうには無数の視聴者がいる。固有名詞一つひとつの発音を確かめるため「アクセント辞典」は手放せない。原稿を読むだけではなく、聞き手になることも。報道スタジオにとどまらず、都内のレジャー施設や競輪場のイベントMCとしてマイクも握る。
○…小学生の頃から声優など「喋る」仕事に憧れ、中学・高校も放送委員会に所属。自習と称してコメダコーヒーに入り浸り、友達と何時間も喋り尽くしたのが懐かしい。その後アナウンスの専門学校を卒業。つい最近までFMヨコハマのリポーターも務めた。県内各地で中継し、大食い大会にも参加。「真冬の滝行はできるか」と言われると反射的に首が縦に動いた。「滝つぼは入ったら慣れました。出た後が寒いんです」と目を細めた。体を張った仕事でも、両親も祖父母もリスナーに徹し「行きたい道へ」と背を押してくれた。
○…仕事で通う都内のビル群から寒川に帰ると、空の大きさを実感する。季節は、中央公園が桜に包まれる春が好き。オフは家でアニメに没頭する。トップを目指すアイドルたちの物語で、DVDを20本以上秘蔵しているらしい。「癒されますね。キャラクターを応援したくなるし、心の安定剤です」。その翌日、電車に乗り込んだ瞬間、中吊り広告を探してしまう。化粧品やレジャー施設、マンション。欲しいのではない。「どうナレーションしようか考えるんです。もしこれが動画CMだったら」。伝えるプロとしての、覇気が垣間見えた。
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