開設10周年を迎えた地域活動支援センターFの施設長 江藤 恵子さん 岡田在住 62歳
みんな 居心地よくしたい
○…障がいのある人の社会参加の場であり居場所である「F」。一年前に岡田の民家へ引っ越し、拠点が広くなった。どうぞ、と中を案内しながら「利用者が気持ちに応じて居場所を選べるんです」と嬉しそう。最近は新型コロナで休館を余儀なくされていたが「普段喋らない利用者が電話だとこんなに話せるのか」と発見もあった。利用者が手作りしたストラップや食器用ブラシを手に取り「一品ずつ色も形も違うのがいい」と目じりが下がる。
○…寒川小、寒川中の卒業生。人前で喋れない性格だったが、憧れの保育士を目指す一環で高校時代は弁論部に入部。全国雄弁大会に出るほどの語り手となった。夢を叶えて旭保育園に勤務した後、子育て支援施設(寒川・小田原)の立ち上げに携わった。相談に来る母たちの悩みは千差万別で、どうしたら相手が心安らかに幸せを感じられるかを考え続けた。
○…懸命に働いているうちに、いつの間にか心も体も限界を超えていた。太陽光を浴びると体が腫れあがる病を発症、入院先のベッドの上ではわが子の進路や難病を抱える夫の事を考え、夫婦共倒れの不安の中でもがいた。まず健康を取り戻すべく栄養学などを学び始め「心の病が知りたい」と町の精神保健ボランティア講座に参加。それが今の職場で働くきっかけになった。
○…壁に当たって気づいたのは「自分の心に余裕がなければ、誰かの事は思えない」という事。だからこそ「F」を気兼ねなく語り合える場にしたいという。「私は聞き役でありたい、ゴミ箱のような存在でもいい」。
○…趣味は軍手人形などの布おもちゃづくり。「作る事が私にとっての逃げ道かな」。自作の優しい作品たちに癒され、励まされている。
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