寒川版 掲載号:2020年9月25日号 エリアトップへ

よこはま動物の森公園で開催中の「森Lab」でアートを展示する 原田 暁さん 小谷在住 63歳

掲載号:2020年9月25日号

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森に通い続けて20年

 ○…寒川から中原街道を車で走ること1時間。横浜市旭区の森に20年近くも通い、年に1度のペースで作品を創り続けている。「虫がすごいけど、行きます?」。案内してくれた森の奥に、山桜の幹で作った高さ2mほどの大型作品が待っていた。枝を伸ばすように、芽生えるようにも見える作品の題名は「再生」。顔に数匹の蚊をつけたまま「こんないい所はないですよ。市民の声がきっかけで守られた森でね。こうした背景も来場者に伝えられたら」。

 ○…小谷出身。今は随分住宅地に変わってしまったが、草地や森を駆けて育った。少年時代、自宅の襖には紙が貼ってあった。いつでもクレヨンで描けという親の方針だったという。父の純成さんは寒川駅前の少女像などを手がけた名彫刻家で、晩年は二人三脚で制作した。美大を卒業後は制作と発表を繰り返し、海外にも飛ぶようになった。26年前に各国の作家を寒川に招いて野外美術展を開催。当時立体作品を展示した、のどかな田んぼが今の中央公園だ。海外でのアートイベントが縁で出会ったのがインドネシア出身の奥さん。たまに一緒に台所に立ち、郷土料理のサテーやナシゴレンを作る。

 ○…20年ほど前はうっそうとした森だったが、制作のかたわら、仲間と間伐や小道作りを続けてきた。アトリエや美術館と違って「何やってるの」と近寄ってくる人々との交流も面白い。昨年くも膜下出血で倒れるも、手術後に筋トレを始め2カ月後には森に戻った。「たまに、俺はここで何をしているんだろうと我に返る事もあります」。材料は森の木々を使い、展示が終われば森に還すのがポリシー。創ってはゼロに戻る、の繰り返し。木々と語らうちに、気づけば新しいアイデアが芽吹いている。

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