9月21日からウェブ配信される「さむかわ音楽ひろば」でウクレレを演奏した 野田乃里子さん 宮山在住 58歳
キラキラをつなげて
○…「さむかわ音楽ひろば」は認知症の人や家族も参加でき、ともに楽しめるというコンセプト。ウクレレのグループの中心として、中央公園の野外ステージで楽しく大合奏するはずだった。緊急事態宣言の延長で、演奏は録画とウェブ配信に。収録を終えた表情にガッカリ感はない。「心の準備はできていましたから。次回があるし、今は種まきの時です」。マスクからのぞく表情は、仲間との合奏に大満足といった様子。
○…出身は石川県。父の實さんは塗装職人で、よく歌を口ずさみながら働いていた。歌が好きなのは父譲りなのかもしれない。周りにはずっと「寒川を音楽の町にしたい」と言い続け、かれこれ15年以上コーラスサークルで活動している。感染防止のため、歌うかわりにウクレレを弾くようになった。
○…元々は会社勤めだったが、手に職をつけようと都内の看護学校に入学。これまで産婦人科やICU、クリニックなど様々な医療畑を歩いてきた。中でもオペ室に配属された時は覚える事が桁違いだった。「菓子職人だったのに、今日から寿司屋になれと言われるようなもの」。手術のサポートでは器具を手渡す順序が医師ごとに異なる。命を救う現場ゆえに感情もせめぎあい、怒鳴られ、ぐっとこらえた事も数え切れない。手術室から出るたびに強く、受け止められるなった。
○…「どちらにお住まいですか?ぜひ寒川に移住しましょう」。町外在住の記者に目を輝かせた。結婚後、夫の実家のある寒川に移って20年以上。仕事と子育て、PTA…と、多くの人と出会い、町への愛着を深めた。「点と点がつながって輝くのを見るのが嬉しい。つなぎ役になれたら」。昼間は見えない星座は、広がりつつある。
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