行政相談委員を14年務め、退任した 藤澤 美穗子さん 倉見在住 64歳
聞く、動く、自分で確かめる
○…総務省から委嘱され、国政関連の意見や要望を聞いたり助言をする行政相談委員を14年間務め、この夏総務大臣感謝状が贈られた。無報酬のボランティアで相談の多くは生活に関わる道路の関連。「雨水の排水が悪い」「横断歩道が薄くなった」-数えきれない声を行政に伝えた14年だった。変えられたことも、叶わなかったこともあった。長い活動を振り返りながら「伝える事は大切です。『どうせダメだから』とあきらめないでほしい」と話す。
○…駆け出しの頃の研修でまず教わったのは「傾聴」。言いたいことを言ってしまう自分、相手の声を遮ってしまっていた事に気づいたという。フットワークを生かし現場を歩いて考えた事も。相談を受けるたびに「答えられる、と思った時ほど危険」と自分に言い聞かせ、確認にこだわった。新聞を見る目も変わり、どの記事も身近に感じるようになった。
○…大学では英文学科で学び、都内の商社での勤務を経て結婚。寒川に移住した。40年前の倉見駅前には鮮魚店や八百屋があり、買い物客で賑わっていたという。歯科医師の夫(駅近くの藤沢歯科医院)には、歯を治療してもらったことも。お互い人と向き合う機会が多く、苦労を分かち合える間柄だ。趣味は展示会を見たのをきっかけに長年続けている生け花。ススキや菊、枝物など秋の素材が楽しみという。
○…長年続けた相談員の役を後任に託し、今年退任。離れて暮らす母が心配になり「親孝行しよう」と心に決めた。コロナ禍で人と人とが会えない分、頻繁に電話をかけて声を聞くようにしている。介護を経験しながら感じるのは「人はいつまでも同じではいられない、母も自分も」。寄り添う人の姿勢は何も変わっていない。
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