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寒川 人物風土記

公開日:2021.10.15

一之宮公園で11月に開催予定の子ども食堂を準備している
金子 由利子さん
一之宮在住 70歳

笑顔が見たくて東奔西走

 ○…「月に1回、みんなでワイワイ食べる日があってもいいよね」。一之宮で初の子ども食堂を準備している。気心知れた仲間たちは15年間の民生委員活動で知り合った。沢山のカレーを作るには体力もいるから、役割分担には気をつかう。逆に、仲間からは「座ってて」と気遣われる。実はこの春に転倒して背骨を骨折したばかりでコルセットも外せない状況だ。「私が言いだしっぺだから」と、つい体が動いてしまう。

 ○…同じ仲間と2年前に立ち上げた高齢者向けイベントはもう軌道に乗った。「家にこもって過ごすより誰かと語り合った方が絶対楽しい」。ストレッチや盆踊りなどを盛り込み、リピーターも増えた。町で出会えば下の名前で呼びあう。「平均年齢84歳でも、みんなおしゃれで元気。私は五十肩で腕も上がんないのに」。

 ○…寒川小・中学校、商業高校を経て、銀行に就職。経理マンだった親の影響で「お金を数えるのが好きでした」。ドル札というものに初めて触れた。窓口業務を任されると顔見知りが増え、入金に来てくれるのが嬉しくなった。その後「もっとお客さんが喜ぶものを提案したい」と保険業界に転職。新しい職場では大きな数値目標を課されたが「目標は高い方がやる気が出る」とプレッシャーをバネに働いた。

 ○…3人の子を育て、うち2人は双子。「夜中に泣き出したり熱を出すのも同時でね」と目を細める。子どもが小学校に上がるとPTA役員にも挑戦。一人に負担が集中しないよう注意した。余計な会議をやめメンバー同士のFAXを活用、今で言うリモートワークを進めた。「楽しまなきゃやってられない」から、工夫とひらめきが湧いてくる。当時から前向き。今はむしろ前傾姿勢だ。

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